真延流柔術についての詳細

◎戦場における柔道の役割

実際に行われた昔の合戦では、

時代劇のように、刀でバタバタと

敵を倒していく、ということは

殆どありませんでした。

太刀や打刀では、鎧ごと人を

薙ぎ払う事が出来ないからです。


実際の戦闘では、


刀で戦う

鎧で致命傷を与えられない

お互い怖いので組み付く

相手を倒す

押さえ込む

鎧通しや小刀でとどめを刺す


という流れが一般的でした。


これは、洋の東西を問わず同じで、

組み付きや押さえ込みなど

武器を使わない部分での戦闘力は

非常に重要である、という観点から、

西洋ではレスリングが編み出され、

日本では柔術が編み出されました。


 

◎柔道について

現在の柔道は世界中に広まり、

スポーツとしての“JUDO”として

変化しましたが、私が習っていた

30年くらい前の柔道の中にはまだ、

古来の柔術の要素が

色濃く残っていました。


・素早く相手に組み付く。

これは組討ちに持ち込む為の

とても重要な技術です。

現代柔道では、中々相手と組み合いません。

それは組み手で、勝負が8割程度

決まってしまうからです。

これも、スポーツ化した

JUDOの弊害かもしれません。


・自分の姿勢を崩さずに相手投げる。

本来これが一本でした。

何故ならこの状態になれば、

相手の頭を蹴ることも、

刀で止めを刺すことも可能だからです。


・30秒間押さえ込む

これも一本です。

これは、30秒以内に逃げないと

とどめを刺されてしまうので、

押さえ込まれた人は

30秒以内に逃げなさい。

という意味での練習です。


このように、元々柔道には

武道としての理があったのですが、

現在のJUDOに

その理を見出だす事は

難しいと言えるでしょう。


◎真延流柔術について

私自身は、そんなに柔道が得意

という訳ではありません。

どちらかと言うとボクシングやキック、

総合格闘技やブラジリアン柔術の方が

遥かに得意です。


そのため、真延流柔術の練習内容は、

ほとんど総合格闘技の練習だと

行っても過言ではありません。


ただ、総合格闘技と違う点は、

日本刀を含む、お互いに刃物を

持っている想定での戦いにも

対応出来る技術、『組討ち』

の練習があるという点です。


◎組討ちとは

組討ちとは、刀での戦闘から組み合い、

投げ、抑え込み、とどめ、までの

一連の技術です。


私自身も、剣術の乱取りを通じて

学んだのですが、刀での戦いにおいても、

予想よりも遥かに簡単に

組討ちに持っていく事が出来ます。


30年くらい前の無知な空手家が

「寝技に持ち込まれる前に

一撃で倒してやる!」

などと言っていたのに、

総合格闘技全盛期になると、

寝技に持ち込まれて

何も出来ないまま負ける、

といった事態と同じです。


寝技が出来ない者は、

総合格闘技ではほぼ勝てないように、

組討ちが出来ない者も、

ハイレベルな実戦で勝つことは

非常に難しいでしょう。

 

◎総合格闘技としての真延流柔術

上でも述べていますが、

真延流柔術の技術や練習内容は

その殆どが、ただの総合格闘技です。

それも、現時点では総合格闘技の

初心者が多いので、初心者用の

練習を行っています。

また、門下生には社会人も多く、

決して総合格闘技の試合に出る事や、

ケンカに強くなる事が目的ではないので、

無理な筋力トレーニングや、

危険な練習は行いません。